【企画職向け】プロジェクトマネジメントの基礎知識と必要スキル

仕事でプロマネをやらされてるけど、正直プロマネって何をやるべきかわからない。
こんな悩みに答えます!
この記事では、そもそものプロジェクトの定義から、プロジェクト全体の流れ、プロジェクトマネージャーがやるべきタスクまで、初心者にもわかりやすく解説していきます。さらに、プロジェクトマネージャーに求められる重要なスキルと、それを身につけるための具体的な要素を解説しています。
この記事を読むことで、プロジェクトマネージャーとしての基礎知識や、プロジェクトマネジメントに必要なスキルの全体像がわかります。すぐに使えるプロジェクト計画書や要件定義書のテンプレートもダウンロードできるので活用してみてください!
1. プロジェクトとは?
仕事でよく聞くプロジェクト。でも、何でもかんでもプロジェクトにしてしまって、やたらとプロジェクトが増えていませんか?ここでは、そもそもプロジェクトとは何か?という定義からしっかりと解説していきます。(ちなみに、プロジェクトのことをPJTと略します)
1-1. プロジェクトの2つの特徴
ビジネスの世界において、プロジェクトは他の業務とは一味違う特徴を持っています。その中でも特に重要な2つの特徴は、「有期性」と「独自性」です。
有期性
有期性、つまり期限が決まっているということです。期間限定ってことですね。プロジェクトには、必ず「始まり」と「終わり」があります。例えば、新商品の開発プロジェクトや大規模イベントの実施などです。一方で、期限が決まってない場合はプロジェクトとは言えません。期限が決まっていない仕事のことをルーティンワークや日常業務といいます。
独自性
日常業務と比較したときに、独自性のある取り組みである場合はプロジェクトといえます。ざっくり言うと、日常業務じゃない取り組み(≒非日常業務)のことです。例えば、ルート営業を日常的に行っているチームが「期間限定で新規開拓」を行う場合、その活動はプロジェクトといえます。他にも、新商品の開発やシステム開発など新しいものを作る系の仕事もプロジェクトといえます。
もし、プロジェクトってそもそも何?とか、プロジェクトが増えすぎて困っているという場合は、有期性と独自性という観点から考えてみることがおすすめです。
1-2. プロジェクトと日常業務の違い
これまでの説明でプロジェクトと日常業務(通常業務・ルーティンワークともいいます)の違いがわかってきたと思います。ポイントは繰り返しですが「有期性」と「独自性」です。ただ、ちょっと抽象的すぎるので、他の観点からも比較してみたいと思います。
項目 | プロジェクト | 日常業務 |
---|---|---|
時間軸 | 一時的 | 継続的 |
目標 | 特定の成果物や目標の達成 | 日常業務の遂行 |
実行方法 | 独自の計画と実施 | 決まった手順・ルーティン |
チーム構成 | PJTにより異なる | 固定化されたメンバー |
成果物 | PJT終了時に提供される | 継続的に出力される |
終了時点 | PJTの目標達成時 | 終了時点が特定されない |
この表によって、プロジェクトとルーティンワークの大まかな違いが明確になったかと思います。プロジェクトは一時的な取り組みで、目標達成に向けて独自の計画と実施が行われます。一方、日常業務は継続的に行われる業務であり、決まった手順に基づいて行われることが特徴です。
プロジェクトと日常業務は、異なる管理アプローチやスキルが求められます。そのためにも、プロジェクトマネジメントという管理技術が存在します。日常業務の延長でプロジェクトを実施してしまうと、失敗してしまうのはそのため。
ということで、この後はプロジェクトがどうやって進んでいくのか?という全体の流れを学んでいきましょう。
1-3. プロジェクトはどう進むのか?
プロジェクトは、期間限定で行われる独自性のある取り組みです。独自性があると聞くと、毎回やることも変わってくるのでは?と思うかもしれません。でも、プロジェクトの流れは意外と同じで、わりと似たような流れで進んでいきます。ということで、まずはプロジェクトの基本の流れを抑えていきましょう。
この段階では、プロジェクトの詳細は決まっておらず、ざっくりと「こういうことをやりたい!」というレベルにとどまることがほとんどです。おおまかな目的や目標を明確にし、プロジェクトに関連するステークホルダー(関係者)や参加メンバーが決まります。プロジェクトのスコープ(範囲)、予算、ゴール、スケジュールなどもざっくり決まり、プロジェクトの全体的な方向性が見えてきます。
プロジェクトの成功に向けた具体的な計画を立てます。プロジェクトの成否を分ける非常に重要なステップです。主に、プロジェクトの背景・目的・目標の言語化や、達成に向けたタスクとスケジュール、体制や役割分担、リスクの洗い出しと対策、チームの運営ルールなどを詳細に策定します。
プロジェクト計画に基づいて実際に作業を進めるステップです。プロジェクトのメイン部分です。チームメンバーが計画されたタスクを実行し、目標に向けて成果物を生み出します。プロジェクトマネージャーは進捗や課題の状況をモニタリングし、必要に応じて調整や対応を行います。
プロジェクトの進行状況を常に監視し、計画通りに進めるための調整を行うステップです。ステップとはいっても、プロジェクトが進んでいる間は継続して行われます。予定と実績の比較を行い、問題があれば対策を行います。プロジェクトのQCD(品質・コスト・納期)を守るための活動です。
プロジェクトが目標に到達したとき、あるいはプロジェクトが不要と判断されたときに実施されるステップです。成果物が納品され、ステークホルダーに対して報告や評価が行われます。また、プロジェクトチームの解散やアーカイブ作業も行われることがあります。
2. プロジェクトマネージャーがやるべき2つのこと
有期性と独自性という特徴を持つプロジェクトを、成功までマネジメントしていくのがプロジェクトマネージャーです。
プロジェクトは日常業務と違って期限や予算も決まっていて、今までにない独自のチャレンジを求められるなど非常に難易度の高い仕事です。それをリードするのがプロジェクトマネージャーの仕事。では、プロジェクトマネージャーは具体的にどんなことをやればよいのか?について、解説していきます。
2-1. プロジェクト計画
企画や現場が言い出した「こういうことやりたい!」を計画に落とし込むのが、プロジェクトマネージャーの最初の仕事です。
プロジェクトの最初期に行う計画こそがプロジェクトマネージャーの腕の見せ所です。ここで、ゴールまでの見通しを立てられさえすれば、プロジェクトは8割成功したといっても過言ではありません!
計画しなければいけないことはほぼ決まっていて、次のような内容です。
項目 | 説明 |
---|---|
背景・目的・目標 | PJT実施の背景、目指す目的と目標を定義 |
プロジェクト方針 | PJTの進め方や取り組む価値観、ルールなどを定義 |
スコープ | PJTの対象として何を含めるか、または含めないかを定義 |
課題と対応方針 | PJTで解決したい課題と対応方針を定義 |
ゴールイメージ | PJTで目指すゴールを定義 |
対応STEP | ゴール達成に向けて対応すべきことを定義 |
体制・役割分担 | PJTの体制と役割分担・責任範囲を定義 |
スケジュール | ゴールまでの対応STEPを時間軸に沿って可視化 |
リスクと対応策 | 予想されるリスクとそれに対する対応策を定義 |
課題管理 | PJTで発生する課題の管理する方法を定義 |
ドキュメント管理 | PJTで作成するドキュメントの管理方法を定義 |
コミュニケーション | チームやステークホルダーとのコミュニケーション手段や頻度を定義 |
ちょっと多いな・・・と思ったかもしれませんが、プロジェクト計画はプロジェクトの成否を左右する重要なステップです。計画を立てることによって、得られるメリットは次のようなものがあります。
チームの団結
計画を立てるなかでプロジェクトの目的や目標を言語化することになります。そうすることで、チーム全員が同じ方向を向き、共通の目標に向かって努力することができます。
計画によって役割や責任が明確になり、チームメンバーが連携して取り組むことができます。一方、役割・責任範囲が定義されてないと、トラブル発生時に責任の所在が曖昧になったり、責任の押し付け合いになったりします。
スムーズな進行
計画に基づいてタスクを進めることで、無駄な時間や手戻りを減らすことができます。
また、計画をもとに進捗を監視することで、問題や遅延を早期に発見できます。むしろ、計画がないと遅れているのかどうかすら把握することができません。(予定がないのですから当然ですよね)
リスクの最小化
計画段階でリスクを洗い出し、対応策を考えることで、プロジェクトに発生するリスクを最小化することができます。
プロジェクト計画はプロジェクトの成功に向けての道標であり、計画段階での慎重な準備がプロジェクトの成果に大きく影響します。計画をしっかり立てて、プロジェクトの順調な進行と目標達成を目指しましょう!
2-2. プロジェクト管理
綿密に立てた計画も立てて終わりでは意味がありません。プロジェクトマネージャーは計画と実際に乖離が起きないように常に管理し続ける必要があります。これをプロジェクト管理といいます。主に以下の項目を重点的に管理します。
進捗管理
プロジェクトの進行状況を把握し、計画通りに進んでいるかを確認します。タスクの進捗やスケジュール遵守、目標達成度などをモニタリングします。もし、遅延が発生した場合は、適宜スケジュールを引き直したり、プロジェクトのスコープを調整するなど臨機応変な対応が求められます。
課題管理
プロジェクト中に発生する課題や問題点を記録し、それに対する対策を立てて解決していきます。課題の優先順位を決め、適切なタイミングで対応します。プロジェクトでは予期せぬことがたくさん発生します。それらの課題をスムーズにさばいていくことが求められます。
品質管理
プロジェクトの成果物やプロセスが品質基準に適合しているかを監視します。遅延なくプロジェクトが進行していたとしても、成果物の品質が低かったら意味がありません。品質の基準を作り、その品質を達成できるようにプロジェクトを進めることが求められます。
モチベーション管理
プロジェクトチームのモチベーションを維持するようにします。結局のところ、プロジェクトは人が行うものです。そのため、プロジェクトメンバーのモチベーションがプロジェクトの成果に直結します。可能な限りメンバーの意欲や意見を尊重し、コミュニケーションを円滑に行い、モチベーションの低下を防ぎます。
プロジェクト管理は、計画段階で立てた計画を実行するための重要なプロセスです。進捗や課題、品質などを適切に管理することで、プロジェクトの成果を最大化し、成功に導くことができます。特に、課題や進捗の早期発見と適切な対応はプロジェクトの成否に大きく影響します。また、メンバーのモチベーションを高めることで、生産性の向上やチームの結束力の強化に繋がります。
プロジェクト管理は、計画だけでなく実行段階においても重要な役割を果たします。スムーズな進行と品質の向上に努めることで、プロジェクトの成功を実現しましょう!
3. プロジェクトマネージャーに必要なスキル
多くの人を巻き込みながら、計画通りに物事を進めなければならないプロジェクトマネージャーの仕事は非常に難易度が高いものです。そのため、プロジェクトマネージャーには高いスキルが求められます。ここでは、プロジェクトマネージャーに求められるスキルのうち、特に大事なスキルを解説します。
3-1. 論理的思考力
プロジェクトマネージャーにとって、論理的思考力(ロジカルシンキング)は必要不可欠なスキルです。計画を立てるときも、プロジェクト管理をするときも、論理的な思考と判断が求められます。
例えば、課題の対処を行うときも、原因と結果を論理的に分析し、意味のある解決策をとらなければいけません。多くの人と予算を預かるプロジェクトマネージャーは気分で行動することは許されず、常に論理的に説明がつく行動をとることが求められます。
特に、次のような場面では論理的思考力が求められます。
タスク管理と課題解決
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのタスクを効率的に管理し、スムーズな進行を確保する必要があります。論理的思考力を持つことで、タスクのつながり・順序性を整理することが可能になります。また、プロジェクト中に発生する課題や問題に対しても論理的に原因・結果・対策を分析し、適切な対応策を立てることができます。
メンバーとのコミュニケーション
プロジェクトマネージャーは、チームメンバーやステークホルダーと積極的なコミュニケーションを取る必要があります。論理的思考力を持つことで、一方的に自分の意図やプロジェクトの方針を伝えるのではなく、理由を添えて論理的に説明できるようになります。また、他のメンバーの意見や提案を論理的に理解し、適切に統合することで、チームの協力と意見の調整を円滑に行えます。
複雑な状況への対応
プロジェクトはしばしば予測できない変化や困難に直面します。論理的思考力を持つことで、複雑な状況に冷静に対処し、適切な判断を下すことができます。例えば、なぜこのような事象が起きたのか?その原因は何か?などを論理的に分析できるようになります。論理的に思考できない場合、場当たり的な対処にとどまる危険性があります。
論理的思考力を持つことは、プロジェクトマネージャーがリーダーシップを発揮し、プロジェクトの成功に向けてスムーズに進行させるために不可欠です。複雑なタスクや課題に対処し、チームとのコミュニケーションを円滑にし、変化に対応する能力を養うことで、プロジェクトの成功に大きく貢献することができます。
3-2. 企画力
プロジェクトマネージャーにとって、企画力(≒計画力)も非常に重要なスキルです。なぜなら、プロジェクトの成否に関わる「プロジェクト計画」を作る役割を担っているからです。企画力は少し抽象度の高い言葉ですが、次のようなスキルが含まれます。
課題分析スキル
適切な課題設定ができることが、良い企画を生み出すコツです。イシューとも呼ばれますが、本当に解決すべきことを課題として定義できれば、それを解決することで自ずと結果はついてきます。一方で、どうでもいいことを課題として定義する、もしくはそもそも課題を設定していない場合は、確実にプロジェクトは失敗します。
対策立案スキル
課題に対する打ち手を考えるスキルも重要です。いわゆるHowの部分になります。企画力が高い場合は、複数の対策を複数の切り口で整理して提示できます。例えば、1つの課題に対して、3つの対策をメリット・デメリットを添えて可視化し、イチオシの案とその理由まで提示します。
ゴール設定スキル
プロジェクトは有期性+独自性という特徴を持っています。そのため、必ずゴールが存在します。そのゴールをわかりやすく可視化することも重要なスキルです。プロジェクトには多くの人が参加し、多くのお金も投資されます。そのため、チーム一丸となる必要があるのですが、その時にわかりやすいゴールがあるかないかで、その団結力に差が出ます。
コミュニケーションスキル
企画力に必要なのは、頭を使うことだけではありません。人を巻き込むコミュニケーションスキルも必要です。プロジェクトは多くの人が関わるので、必ずコミュニケーションが発生します。正しく説明できること、話を聞いてもらうこと、意見を引き出すことなど、コミュニケーションスキルの高さが求められます。
言語化スキル
考えたこと、決まったことなどをプロジェクト関係者に伝えることが多いプロジェクトマネージャーにとって、言語化スキルは非常に重要です。いくら立派なアイデアでも、文字にして伝えられなかったら意味がありません。ミーティングでいくらいいことを言ったつもりでも、何言ってるかわからない・・・となったら意味がないのです。
企画力を持つプロジェクトマネージャーは、プロジェクトの方向性を明確にし、リーダーシップを発揮してチームを導くことができます。非常に高度なスキルですが、人と予算を預かるプロジェクトマネージャーにとっては必須のスキルです。
3-3. 推進力
推進力は、プロジェクトを前に進めるための重要なスキルです。プロジェクトマネージャーは、期限通りにプロジェクトを完了させる責任と役割を担っているからです。必ず期限内にプロジェクトを完了させるためにも、チームメンバーをけん引していくための推進力は必要不可欠。中でも重要な3つのスキルについて解説します。
ファシリテーションスキル
プロジェクトでは定例ミーティングなど、多くのミーティングが実施されます。その時に中心になるのがプロジェクトマネージャーです。確実にゴールを達成するための進行や、活発な議論を行うために必要になるのが、ファシリテーションのスキルです。綿密なアジェンダの検討や、ミーティングでのスムーズな進行役などが求められます。
プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルとは、わかりやすく情報を伝えるだけでなく、人を動かすことのできる情報伝達技術のことをいいます。プロジェクトマネージャーは人前で話す機会が多いです。その目的は、チームメンバーなどに何かしらのアクションを求める場合がほとんどです。
例えば、プロジェクト計画の共有では、計画通りにタスクを進めてもらうことが、チームメンバーに期待するアクションです。そのために、こちらの意図を正確に伝えつつ、人の気持ちを動かすことが重要です。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルも、プロジェクトマネージャーにとって最も重要なスキルの一つです。プロジェクトは人の集合です。そのため、コミュニケーションを円滑に行えることは、プロジェクトマネージャーとして最低限のスキルともいえます。特に、チームメンバーの話をよく聞き、寄り添ってあげることでチームの安全性を高めることができます。
このように、推進力もまたプロジェクトマネージャーにとって大切なスキルです。ファシリテーションによってグループの力を最大限に引き出し、プレゼンテーションによってステークホルダーの理解を得し、コミュニケーションによってチームの一体感を醸成することで、プロジェクトの成功に向けて力強く推進することができます。
まとめ
有期性・独自性といったプロジェクトの特徴や、プロジェクト全体の流れ、プロジェクトマネジメントに必要な論理的思考力・企画力・推進力といったスキルについて解説してきました。プロジェクトマネジメントは確かに難しい仕事です。でも、一度身に付けてしまえば、汎用的に使える素晴らしいスキルです!
このブログではプロジェクトマネジメントで使えるいろいろなテンプレートも配布しています。それらも使いながら、プロジェクトマネジメントのスキルアップに励んでみてください!