KGIとKPIの違いを理解しよう!目標達成に向けた効果的な設定手法

KGIとKPIってよく聞くけど、何が違うんだろう??
この記事ではKGIとKPIの詳しい説明と、それぞれの違いや設定方法について解説します。初心者でも理解しやすいように具体例も交えて説明をしていきます。
この記事を読むことで、混在しがちなKGIとKPIの違い、それぞれの関連性がわかるようになります。そしてどうやってKGIとKPIを決めればいいかを知ることで、より具体的なPJTの目標設定ができるようになります。プロジェクトで確実な成果を上げるためにも、KGI・KPIについて学んでいきましょう!
1.KGIとKPIとは?
まずは、KGIとKPIの定義から確認していきましょう。
1-1. KGIとKPIの違いとは?
プロジェクトマネジメントにおいて、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)は重要な概念です。でも、PM初心者にとって、この違いにピンと来ないかもしれません。まずここでは、KGIとKPIの違いについて簡単に解説します。
KGIはプロジェクトのゴールを定量・定性的に表す指標です。これを達成したら、プロジェクトは成功!といえる指標をKGIにします。
例えば、新商品の開発プロジェクトでは、売上高や市場シェアの獲得率、顧客満足度などがKGIとして設定されることがあります。
つぎに、KPIの解説です。
KPIはKGIを支える指標です。なので、KGIとKPIには密接な関連があり、KPIを達成するとKGIも達成されるというような連動性も必要です。
また、KGIは売上高のような結果指標であるのに対し、KPIは顧客訪問数などの行動指標(結果ではなく行動に伴い変化する指標)を設定します。
例えば、KGIが売上高の場合、KPIは顧客訪問数や架電数が設定されます。KPIが達成されれば、KGIの達成にもつながるような構造となります。
1-2. KGIとKPIの関連性
KGIとKPIは密接な関係にあります。KGIはプロジェクトの最終的な目標を示すものであり、プロジェクトの成功を評価する際の基準となります。
一方で、KPIは具体的な数値でプロジェクトの進捗や成果を測定し、KGIの達成度合いを把握するための指標です。KGIは1つだけ設定されますが、KPIは複数設定されることがあります。
例えば、KGIが売上高の場合、次のような構造になります。
- KGI :売上高
- KPI①:顧客訪問数
- KPI②:架電数
- KPI③:商談数
このように「KPIである顧客訪問数、架電数、商談数が上昇すれば、結果として売上高も上昇する」というような論理的なつながりを持たせることが重要です。
2.KGI・KPIの決め方
KGIとKPIの概要を把握したところで、次はKGIとKPIをどのように決めていくかを学んでいきましょう!
まずはプロジェクトの目標を決めます。そもそも、KGIはプロジェクトの目標を数値化したもの。なので、KGIを決める前に、必ずプロジェクトの目標を決める必要があります。
例えば、ここではプロジェクトの目標を「A商品の売上高を前年比20%アップさせること」としてみましょう。
次に定めたプロジェクトの目標をKGIに変換します。
先の例だと、KGIは売上高、KGIの目標値は前年比20%アップという感じです。
KPIを考える前に、まずはKGI(=売上高)を達成するためには、どんな行動が必要か?を洗い出します。ここで洗い出した行動をベースにKPIを決めるためです。
先の例だと、売上高を前年比20%させるためにはどのような行動が必要なのか?を考えます。例えば、次ような行動が必要と考えられます。
- アポの数を増やす
- 商談数を増やす
- 広告の量を増やす
- 営業人員を増やす
- リピートを増やす
次に洗い出した行動の中からCSF(Critical Success Factor)を決めます。(KSF(Key Success Factor)とも言います)
CSFとは、KGI達成に必要な行動のうち、もっとも重要な行動のことです。もちろん、すべての行動が大事なのですが、その中でも最重要なものを選びます。
先の例だと、商談を増やすことが最もKGIの達成には効いてきそうと判断したとします。そしたら、商談を増やすことがCSFです。
最後にCSFの目標値をKPIとして設定します。CSFはあくまで行動なので、その目標値をKPIとして定量的に計測できるようにします。
先の例だと、CSF=商談を増やすだったので、KPIは商談数とします。そして、KPIの目標値を月間商談数20件などというように設定します。このKPIの目標値は、どの程度KPIが達成されればKGIが達成されるかを考慮して設定します。
KGIとKPIを設定する流れは、このような感じです。ポイントは、CSFを決めてからKPIを設定することです。こうすることで、KPIは必ず行動と紐づくようになります。KPIを行動と紐づけることで、行動を促すようにマネジメントできれば、KPIが達成できるようになります。
一方で、リピート率のような行動と紐づかないKPIを設定すると、達成が途端に難しくなります。リピート率を上げるための行動は、また別に存在するからです。どんな行動をすればよいかが不明確なため、マネジメントも難しくなります。
また、KGI・KPIを決めた後は、以下のSMART目標の観点でチェックするのもおすすめです。特に測定可能性は重要です。計測が難しい数値の場合、プロジェクト内でトラッキングするのが困難になるためです。
- 具体性(Specific): KGIが具体的であること。何を測定するのか明確にする。
- 測定可能性(Measurable): KGIが数値やデータで測定可能であること。数値化できる指標を選定する。
- 達成可能性(Achievable): KGIが現実的かつ達成可能な目標であること。現在の状況やリソースを考慮する。
- 関連性(Relevant): KGIがプロジェクトの目標と関連していること。目標達成に重要な要素を選定する。
- 期限付き(Time-bound): KGIが期限を持って設定されていること。目標達成の期限を明確にする。
3. KGI・KPIの評価と改善
KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)を設定した後は、プロジェクトの進捗や成果を定期的に評価し、必要な改善策を導き出すことが重要です。KGIとKPIの評価・改善を行うことで、プロジェクトマネージャーとしての活動がより効果的になり、目標達成に近づけることができます。
3-1. 定期的な評価とモニタリング
KGIとKPIの評価は定期的に行うことが重要です。プロジェクトの進捗状況を把握し、目標達成の状況を確認するために、以下のような方法を取り入れましょう。
- 定期的なレポート: 定期的にKGIとKPIの進捗状況をまとめたレポートを作成し、関係者に提供します。データを視覚的に分かりやすく表現することで、プロジェクトの全体像が把握できます。
- モニタリングツールの活用:BIツールなど、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムでモニタリングするツールを活用しましょう。ツールを活用することで、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることができます。
- 定例会議の設定: チーム内や関係者との定例会議を設定し、KGIとKPIの進捗状況について議論します。フィードバックを受けることで、改善策を検討しやすくなります。
3-2. 改善策の検討と実行
KGIやKPIの評価結果を基に、プロジェクトの改善策を検討しましょう。KPIの結果が目標に達していない場合は、以下のようなアプローチで改善を図ります。
- 原因分析: KPIが目標に達していない原因を明確にします。データ分析やチームのフィードバックを活用し、問題点を特定します。
- 対策の立案: 問題点を解決するための具体的な対策を立案します。達成可能な目標を設定し、段階的に改善を進めることが重要です。
- アクションプランの実行: 立案した対策を実行に移します。各メンバーの役割や期限を明確にし、改善策を実行します。
- モニタリングと評価: 改善策の効果をモニタリングし、定期的に評価します。必要に応じて修正や追加の対策を行います。
まとめ
KGIとKPIはプロジェクトにかかわっていると、絶対に出てくるワードです。でも、KGI・KPIを効果的に使ってプロジェクトマネジメントができてることは、意外と少ないのが現実です。
そもそも、KGIやKPIを勢いで決めてしまったり、計測が難しい指標をKGI・KPIにしてしまい、マネジメントに利用できないなどがよく起こりえます。
なので、改めてKGI・KPIの大切さと、それらをどうやって決めていけばよいのかがわかったと思うので、現場のプロジェクトで実践してみてください!
